「恋声」の「Chorus file」の使い方

更新日 2010年6月20日

 「恋声」の「Chorus」にチェックを入れて、あまりにも和声的でない和音に嫌になった人もいるかと思います。そんな人にお勧めなのがこの「Chorus file」による方法です。

 まず、ソロボーカルのwavファイルを用意します。
 ここでは、このファイルを使用します。sample.wav(3,919,966バイト)
 このwavファイルをダウンロードしてkoigoe.exeと同じフォルダにコピーして下さい。
 sample.wavを聴いてみると、女声のソロボーカルであることが分かります。(初音ミクさんが歌っています。)

 koigoe.exe を起動します。
 Presetの「W→M」のボタンを押して下さい。
 「Dump」のチェックボックスにチェックを入れます。
 「出力音声をファイルの保存する」のチェックボックスにチェックを入れます。
 「ファイルのアイコン」のボタンを押して、sample.wavを選択して下さい。

 すると女声ボーカルだったのが男声ボーカルのように聴こえてきます。(まるでカイトさんが歌っているように聴こえます。)
 音楽が終了すると自動的に停止します。

 koigoe.exe のあるフォルダに、以下のようなsave.wavとdump.txtというファイルが保存されます。
 save.wav(3,898,306バイト)
 dump.txt(599,908バイト)
 save.wavをダブルクリックして聴いてみると、先ほど聴こえたのと同じ音が聴こえます。
 (Ver2.64から導入されたバッチ処理を行うともう少しきれいに聴こえます。save_batch.wav(3,918,964バイト))

 次に、このソロボーカルにバックコーラスを付けてみましょう。
 dump.txtを編集してコーラスを指定します。この例として、以下のファイルをダウンロードして koigoe.exe, sample.wav と同じフォルダにコピーして下さい。
 chorus.txt(545,384バイト)
 先ほどのdump.txtのchorusと書いている欄にはすべて127という数字が記入されていましたが、chorus.txtのchorusと書いている欄には別の数字が記入されています。127と書いてあると、コーラス用の音は重ねません。-64から64の数字が書かれていると、コーラス用の音を重ねます。-5という数字は、元の音から半音で5個分音を下げるという意味です。ですので完全五度下の音になります。この入力は、Pitch Analyzerのピッチや時間の表示を見ながらExcelで行うと楽にできます。
 それでは、「恋声」の「Chorus file」のボタンを押してこの chorus.txt のファイルを指定して下さい。ボーカルにコーラスが付加されて聴こえます。
 chorus.wav(3,897,906バイト)


 このように、「恋声」の「Chorus file」を使えば、あたかも本人がバックコーラスをしているかのように加工することができます。本人の声でバックコーラスを入れる時に、音程の取れない歌い手さんの場合、このような技術を使ってミキシングすることもあるらしいです。

2010-3-2追記: 最近気がついたのですが、ダウンロードしたchorus.txtファイルのPitchShiftEnableを1にした方が和声的にきれいに聴こえます。0だと元の音とピッチ変換した和声を加算します。1だと両方ともピッチ変換したものを加算します。ピッチ検出が正確でないので、元の音と加算すると和音がずれるが、ピッチ変換したもの同士なら相対的な和音は正確なのでそうなるのだと思います。0だとピッチのスライダーを動かすことができませんが、1にするとピッチのスライダーを動かしてピッチを変えられるというメリットもあります。ただ、以前にLiaの「青空」という曲でやった時には0の方がきれいに聴こえたのですが・・・ この初音ミクさん音程悪すぎ (;^_^)

2010-6-20追記: Version 2.70からコーラス値を小数でも読み込めるようにしました。更に、「平坦化」と「Dump」のチェックを入れてDumpファイルを生成すると、ピッチが平坦となるようなコーラス値が入るようにしました。
 Pitch +4、Formant 0、Min G3、Max E5、Batch の条件でA4に平坦化したミクさんの声: flatten.wav(3,918,082バイト)
 上記のDumpファイル: flatten.txt(680,027バイト)
 Dumpファイルは、最低音G3と最高音E5の中央の音F4に平滑化されるようなコーラス値が入っています。


Chorus fileのフォーマット
koigoe 2.70
Input sample.wav
OverSampling 1
A4 440
MinKey G_3 19
MaxKey E_5 40
CorrThresh 0.5
PitchShiftEnable 1 0:オリジナルの音声を使用(ピッチ変更不可) 1:ピッチ変更可
MixingLevel_Original 1.0 オリジナル音声のレベル(1.0は入力と同じレベル)
MixingLevel_Chorus 0.5 コーラス音声のレベル
Samples Time MaxAmp Hz  Note Chorus
0 0:00.000 0 0 0 -5 完全5度下
441 0:00.010 9 100 0 -5 完全5度下
882 0:00.020 12 100 0 -5 完全5度下

注意: 上表で青字以外の値は絶対に修正しないこと。

・Chorus値は小数値でも記述することができます。(例: -0.25 これは半音の1/4だけ下げることを意味します)
・OverSamplingが4の場合には、Samplesの値は実際のWAVファイルのデータの4倍になります。
・「平坦化」のチェックが入っている場合には、
Samples   Time   MaxAmp   Hz   Note   Chorus(F_4)
のように表示されます。Chorus(F_4) のF_4は、F_4に平坦化されるChorus値であることを示します。この値(F_4)は「恋声」で設定したボーカルの最低音と最高音の中央の音です。


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